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フジテレビ 世紀の大事件 [航空関係]

この番組では焼津上空でのニアミス事件を取り上げていましたので、どの程度の出来かと期待して?見てみたのですが、結局管制官のミスだけを強調して終わってしまいましたね。
確かに端緒は管制官の指示ミスだったのですが、これほどの危機一髪状態になったのはパイロット側により多くの責任があったと考えるのです。
指示ミスをした訓練中の新人管制官と訓練監督者は業務上過失傷害罪に問われ、最高裁まで上告の末に有罪が確定し失職しました。
ただ最高裁においては5人の裁判官の内のお一人が管制官の無罪を主張したのですが、4対1の評決で有罪となってしまったのです。
わたしは、この無罪を主張した裁判官の判断を断固支持する次第なのですが・・・

航空事故調査報告書からニアミスの経緯を追ってみますと、

yaizunearmiss10.gif
JAL 907 便は羽田を離陸して那覇へ向かうために、焼津 NDB へ向けて指定高度である FL390 まで上昇中であった。一方の JAL 958 便は成田へと向け、FL370 で水平飛行中だった。

その時、東京 ACC 関東南Cセクターのレーダー表示画面に異常接近警報 CNF(コンフリクト・アラート)が表示されたが、その時の 907 便の表示高度は FL367 を上昇中で、958 便は FL370 であった。
管制官は CNF に対応するため 907 便に対して FL350 まで降下する指示を行ったが(この指示が唯一の疑問点なのだが、便名を間違えたとも言われている)
その直後 907 便の TCAS(Traffic alert and Collision Avoidance System)から上昇を促す
[CLIMB CLIMB CLIMB] の RA(Resolution Advisory)が発せられた。
同時に 958 便の TCAS からは[DESCEND CESCEND DESCEND]の降下を促す RA が発せられが、907 便は TCAS の指示に反して降下を続けたので両機は更に接近し、958 便の TCAS は更なる急降下を促す -2,500ft/min の[INCREASE DESCENT]を指示した。
この時、958 便は FL369 を降下中であり、一方の 907 便は FL370 を降下中で、907 便の TCAS は反対方向である +1,500ft/min の上昇を指示したのだが、907 便は最後までこの指示に従うことはなかった。
その後、両機は FL363 付近で最接近した。
その寸前、958 便はとっさに機首上げ操作を行ったのだが、その理由は 907 便の背中が見えたからだと言う。
そして電子研などの協力を得て推測された最接近時の高度差は20~40mであったと推測された。
シミュレータによる検証の結果、907 便に対して FL350 への降下指示がなくて上昇を続けた場合、最接近地点付近での推定高度は FL381 に達していたと推定されたそうだ。

この危機一髪の事態を避けられたチャンスは何処かにあったのだろうか?
確かに当時は管制指示に優先して TCAS の指示に従うとは明文化されていませんでしたが、TCAS はお互いに連絡を取り合って、逆方向(高度)への回避を行うシステムになっていますので、指示と逆方向への回避操作は非常な危険を伴うことは分かっていたはずなのです。
世界中の航空機に搭載されている TCAS には一連の通し番号が割り当てられており、その番号の大小により回避方向を決めているのです。
また、907 便はすでに降下を開始していたので、「高高度で上昇に転じるのはバフェットを伴う恐れがある」とも述べていますが、図を見れば分かる通り、水平飛行または緩やかな降下行うだけで両機の高度差は保てたはずです(赤点線)。なにしろ、乗客が天井に叩き付けられるほどの急降下を行って、やっとニアミス地点に到達?出来た訳ですから。
調査報告書でも TCAS よりも、水平線などが見えづらく高度差が分かりにくい目視による回避を優先したと結論づけています。
TCAS は上昇を指示していたが、管制からの降下指示もあったことだし、目視によっても降下することによって回避できると判断し、降下を続けていたら状況はますます悪化。多分どこかで自分の判断に誤りがあったと気付いたであろうが、今さら上昇に転ずることも出来ず「もっと降下しろ、もっと降下しろ!」と操縦桿を押し続けるしかなかったのでしょう。

1.jpg

ところで、この向かってくる飛行機。同高度と言うことはあり得ませんので、自機よりも高い高度に見えますか、それとも低いでしょうか、あなたならどちらへ避けますか?





実は 1,000ft 下を飛んで来ているのです。同高度または少し下を飛んでいる相手機は自機よりも高度が高いと錯覚しやすいのです。

2.jpg
ああああああああああほらね。


また児童虐待で幼い女の子が犠牲になりました。
父親に冷水を浴びせられて浴室に放置され、どんなに辛かったことか。薄れゆく意識の中で頭をよぎったのは何だったのでしょう?楽しい思い出の一つもあったのだろうか。キーボードを打ちながらも涙が止まりません。
それにしても児童相談所の役に立たないこと。盛んに言い訳を重ねる相談所長の顔を見ていたら怒りがわき上がってきました。
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無責任一代男

機械を信じるか管制官に従うかの問題ですか。管制を無視したらあとで処分される恐怖はなかったのだろうかと思ってしまいます。事故すればそんな事関係なく犠牲者は出るんですが、レーダーだけで見てる人より実際に見てる人の方が正しい判断は出来るのではないかと考えます。
TCASってどれくらい前から警告してくれるものですか。

写真の問題はどこかの国の証拠画像じゃないけど、水平線ないので高度差分かりませんでした。(尾翼の上にあるのかも)
有視界飛行で向かってくる機が止まって見えたら正面衝突と言われますが、これはお互い左右どちらに逃げればいいのだろうか?
by 無責任一代男 (2019-01-29 09:47) 

FD

TCAS がカバーする範囲は40海里だそうですが、RA が発せられるのは最大で35秒前程度らしいですね。

正面衝突の恐れがある場合、航空法ではお互いに右方向へ回避すると定められています

by FD (2019-01-29 21:21) 

フクロウ

お久しぶりです。
CNFが鳴った時点で907便は958便の300フィート下を上昇中だったので、結果論だけでいえば、管制官がなにも言わなければニアミスにはならなかったのかもしれませんね…。
上昇中の機に、なぜ降下に転じるよう指示したのか、素人目に見ても少し不思議ではあります。
にしても、ほんとうに間一髪だったのですね…。
by フクロウ (2019-01-30 13:42) 

FD

ご無沙汰しておりました。
当時管制官は14機の管制を行っていたとのことですので、
オーバー・ワークだったのかもしれません。
907 便に降下指示を出してしまったのは判断ミスだったのか?
調査報告書によりますと、958 便に降下指示を出すつもりが
便名を間違えて 907 便に出してしまったとの推測も書かれています。

by FD (2019-01-31 20:50) 

怒り心頭

野田市教育委員会の課長が父親から恫喝されて、アンケート内容を父親に開示したとは、信じられない行為です。
自分だけ、その場から逃れることができれば、この幼い女の子が、その後、父親からどのような仕打ちを受けるかなど考えない、情けない卑怯な大人ですね。
児童相談所や教育委員会は、クズの集まりです。
by 怒り心頭 (2019-02-02 16:17) 

FD

全く同感です。
事実関係が明らかになって来るにつけ、怒りと哀れさが募ってきます。
そして「この教訓を今後に生かして」と言いながら何も改善されない。
自分の子供に当てはめてみろよと言いたい。
ケガさせたとか物を壊したのであれば「申し訳ありません」
で済むかもしれないが、これからの永い人生を奪っておきながら、
児童相談所と教育委員会の関係者、全員切腹だ!

by FD (2019-02-02 16:43) 

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