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GPS RAIM 予測 [航空関係]

DME GAP のコメント欄に、「GPS の電波には信頼性の問題が常につきまとう」 と書いてしまいましたが、GPS に対して、ずいぶんと失礼な話ですよね。
慣性航法装置の位置誤差を修正する航法センサーの優先順位を見てみますと、

① ローカライザー
② GPS
③ DME/DME
④ VOR/DME

となっていて、ILS アプローチを行っている時間帯を除けば、GPS による位置補正が最も優先されていると言うのに。
RNAV1 の運航にはDME/DME による位置補正が必須であると言っておきながら、実際の運航では GPS による位置補正によって、出発・到着経路を正確に飛ぶ事が出来ていると言うのに。

では何故、GPS の信号には信頼性がないと言う事になってしまうのか?
資料によりますと、衛星の幾何学的配置や、米国による計画的な信号停止などがあるからだそうで、その問題がある限り、GPS を主たる航法センサーとして使用する事が出来ないのだそうです。

しかし、GPS アプローチにおいては、当然のごとく GPS 衛星からの信号のみに頼ってアプローチを行っている訳ですから(建前上は)、GPS 信号の完全性が損なわれる可能性のある時間帯を予測する事が重要となってきます。あくまでも可能性なのですが。
そして、その時間帯を予測する事を、RAIM(Receiver Autonomous Integrity Monitor)予測と言っているのです。

RAIM 予測によって導き出された時間帯は、NOTOM(Notice To Airman)によって周知されるのですが、先日の千歳便では、到着予想時刻と RAIM 予測の時間帯がちょうど重なってしまったのでした。
到着予想時刻はXX35分、RAIM 予測時刻がXX47分からの数分間だったので、到着予想時刻の前後15分の間に RAIM 予測の時間帯が重なる場合は、GPS アプローチを行う事が出来ないと言う規程に抵触する事になってしまったのでした。

当日の千歳空港は南寄りの風が吹いていましたので、ATIS では GPS Rwy 19L のアプローチが行われている旨の放送がなされており、千歳アプローチとコンタクトしますと、イニシャル・アプローチ・フィックスである PUNCH までレーダー誘導予定である事が通報されていました。

このフライト、実はシミュレータ・チェックと共に毎年一回の審査が義務づけられている、ルート更新チェックでしたので、RAIM 予測を無視する訳には行きません。
もちろん、チェックでなければ無視していいという訳ではありませんので誤解のなきよう [手(グー)]

千歳アプローチにコンタクトして、VOR Z Rwy19L を要求しました所、我々の前を飛んでいた別の2機も、「我々も VOR アプローチを行います」 と、アプローチ変更の要求をしていたのには、チェッカーと二人、コックピットで苦笑いをしてしまったのでした。

帰りの便も何事もなく終了したのですが、年に一度のルート更新チェック、最後までお勤めするためには、あと一回受ける必要があるでしょうね。
bloggpssatellite.jpg
GPS 衛星写真はWikipediaのHPより。

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トメ

FDさんこんにちは。

ルート更新チェックもあと一回ですか…
なんか、寂しいですね。でも、あと少し頑張ってくださいね!

GPSアプローチもRNAVアプローチも航空機側のシステムは同じ!ですよね。ましてVORアプローチだって同じ。
VORアプローチは旧式の航空機の為やFMS故障を考えると失くすわけにはいかないでしょうけど、RNAV、GPS双方の飛行要件が同じにならないと可笑しな話ですね。(かたやDME/DME必須、かたや無視)
たとえ、DME GAPがあろうとも、出発到着経路を外れたことや、位置情報の取得において複数の補正システム間で矛盾が出ていること等(エラー)が、機上でわかればOKだと思ってしまいます。(やはり素人)

ILSの無いRWYへFMSを用いた進入を行い、滑走路が目視できる状態になったときに、大きく経路を外れていることなどがあるのでしょうか?(素人としては、まず外れないと思うのですが、外れる可能性はゼロでは無いと考えます。)

GPSの補完のために、日本で打ち上げた衛星があるとTVで見たことがあります。静止軌道上で日本領空(領海)を中心に活動しているとか?
いつの日か、そのような衛星や、地上側からの補正信号を用いてGPSを精密進入に使用できるようになったら良いですね。ILS設置にお金もかからないし!
by トメ (2010-08-25 13:18) 

FD

一つお詫びしなければならないのは、GPSアプローチという名称のアプローチは存在しないと言う事です。
正式名称は、RNAV(GNSS)アプローチとなります。
管制機関にリクエストする時も、「RNAVアプローチ」と言う事になっており、GNSSも使いません。
ただ、出発・到着経路の話の中で、RNAV1、RNAV5が出てきておりましたので、
RNAVアプローチという言葉を使ってしましますと、かえって混乱すると思い、
あえてGPSアプローチという言葉を使わせていただきました。

航法精度が指定されるRNAV : 出発経路で使用されるRNAV1。航空路で使用されるRNAV5。

航法精度が指定されないRNAV : 最終進入で使われるGPS(RNAV)アプローチ。

GPS(RNAV)アプローチを行いますと、滑走路延長線からの僅かなズレが生じます。
GPSの誤差は10m程度と言われていますので。
地上からの補正信号によりGPS信号の補正が出来れば(その場合の誤差は1m程度らしい)、原っぱに滑走路さえ造っておけば、ILSがなくとも、精密進入が可能になるでしょう。ある程度実用化しているという話もあるようです。
by FD (2010-08-25 17:13) 

トメ

FDさん、こんにちは。

ご丁寧に教えていただきありがとうございます。
なんでなんで小僧を卒業しなければ…と思うのですが、なかなか。
RNAV 出発到着経路にはRNAV1と書いてありますね。
RNAV(GNSS) APPROACHにはその辺の要件が書かれていません。
航法精度を指定しない進入なんですね~

RNAVアプローチは19Lへオフセット無しで着陸できるのですから、いつでも使用できれば良いですね。(自衛隊の滑走路に進入するミスも少なくなるでしょうし)

GPS 僅かなズレ!残念ですね。
by トメ (2010-08-26 00:02) 

sasa

>地上からの補正信号によりGPS信号の補正が出来れば
GBASやGLSのことでしょうか?
電子航法研究所で実験されているようですね。
787にはGLS受信装置が標準装備で、GLSは精密進入とのことですが、なぜ縦方向のガイドができるのでしょうか?
by sasa (2010-08-26 15:20) 

FD

国によって色々な呼び方があるようですが、衛星からの電波を地上の施設で補完すると言う点では同じ方式のようです。

衛星からの電波で縦方向の位置決めも出来るようですが、縦方向のガイダンスは
VNAVでもかなり精密に行えると思います。それに+電波高度計。

by FD (2010-08-27 21:46) 

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