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那覇空港でのインシデント [航空関係]

ずっと以前は、滑走路が完全にクリアにならない限り着陸許可を出すことはなかったのですが、管制方式基準が改定されてからは、滑走路上に他の航空機が居ても、また着陸する先行機が居るような場合でも、 先行機が居る旨を通報した後、着陸許可を発出するようになったのです。

しかしですね、着陸許可とは「着陸しろ」ではなく「滑走路上に障害物がなく、安全とパイロットが判断したなら着陸してもよいですよ」との意味合いなので、着陸の可否を最終的に判断するのはパイロットの責任なのです。故に、

着陸やり直しの指示が着陸する前だったか後だったかなど、問題の本質を突いているとは言えません。

私が現役時代に経験した事。
夜間、羽田16Lへ着陸しようとしていました。私の前にも同じ滑走路に着陸する先行機が居たのですが、既に着陸許可を受けていました。
着陸した先行機と管制塔の交信を聞いていますと、滑走路から離脱する誘導路に関してそごがあったようで、何やら滑走路上でモタモタしている様子なのです。新しく就航する新規航空会社の慣熟飛行のようでした。
滑走路末端上空近くまで来たところで前方を注視しますと、赤いライトが滑走路上で点滅しているではありませんか!「滑走路にまだ居るぞ、ゴー・アラウンドしろ」と叫んで、操縦していたコーパイに着陸のやり直しを指示したのでした。
この時、管制官からは何の指示もありませんでした。全てパイロットの責任なのですから。
あのまま着陸していたら、衝突することはなかったにしろ、今回と同じように重大インシデントと認定されていたことでしょう。

着陸機に管制官から着陸やり直しの指示があったのはすでに着陸したあとだった可能性もあることから、国の運輸安全委員会は、当時の状況について詳しく調べることにしています。

こんな報道、実にピントが外れているとしか言いようがない。また、こんな報道も見られましたが、

那覇空港は民間機と自衛隊機が共用しており、滑走路の長さは三千メートル。管制はいずれも国交省の管制官が担当している。無線交信で使うコールサインは別のものが使われているという。

コールサインが異なるのは当たり前。恐らく民間機は VHF、自衛隊機(特に戦闘機)は
UHF を使用していると言いたかったのでしょう。
記憶によりますと、管制官は VHF と UHF の両方で管制指示を出しますので、自衛隊機への指示は聞くことが出来ますが、自衛隊機のリード・バックを民間機が聞くことは出来ないのです。

ずっと以前にはこんなゴー・アラウンドもありました。

http://fdc.blog.so-net.ne.jp/2008-10-19

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通りすがり

映像見ましたが、ANA機が普通に離陸していても、かなり短い間隔でJTA機が着陸してますね。羽田とかより全然間隔短いんじゃないでしょうか?
管制が事態を把握して、ANA機を速度だけで離陸中止したのを判断するのは難しいような。それでJTAにゴーアラウンド指示するには時間が無いような感じがします。

by 通りすがり (2015-06-04 18:45) 

皮算用

羽田ほどではないにせよ、那覇も混んでいますからね。
民航の混雑に、戦闘機のスクランブルが割り込むのですから、「パイロットの安全確認」を拡大解釈しないと、運用できなかったのでしょうかね
by 皮算用 (2015-06-04 19:12) 

FD

私が指摘したかったことは、管制官がゴー・アラウンドの指示をした
時期などの問題ではなく、何故、滑走路に他機がいたにもかかわらず
着陸してしまったJTAのパイロットの判断なのです。

JTAは、パイロットからの聞き取りの結果として「全日空機が離陸滑走を開始していたため、着陸に支障はないと判断した。管制官から着陸やり直しの指示があった時点で、すでに接地しており、逆推進装置も作動した直後だったため、そこから離陸態勢に入るのはかえって危険だと判断した。着陸して停止した時点で全日空機と400〜500メートル離れていた」と説明。

とのことですが、このパイロットは直ちに乗務停止にするべきです。
こんな御仁とは、一緒に飛びたくありません。


by FD (2015-06-04 19:23) 

通りすがり

確かにJTAパイロットの「着陸に支障がない」と判断した根拠はポイントだと思いますが・・・。

滑走路3000mとして、737-400なら通常1800mもあれば余裕で着陸できますから、その先に障害物があったとしても「安全に」かどうかは状況次第でしょうが、着陸可能ですね。
映像では、ANA機が滑走路中央(1500m位)までは、客観的に加速しているようにも見えます(というかどこで離陸中止したか映像ではわからない。まさかV1を超えているはずもないでしょうが)。
その後 惰性を含めて1800m以上進んだ直後にJTAがタッチダウンという感じでしょうか。

F1みたいに、スタート時のエンストの際、即座に黄旗が出れば後続にもわかりやすいのですが、飛行機はV1超えたかとか、離陸中止したかなどは、他者にはわからないですからね。



by 通りすがり (2015-06-04 20:33) 

comet flyer

今回の事例は離陸中断を管制に伝えていたのかが鍵になると思います。伝えていなければ、管制官は気付くのが遅れ指示も遅くなりますよね。離陸中断を伝えていことは、車で言えば急ブレーキはしたもののブレーキランプやハザードランプが点かなかったようなものですよね、後ろから突っ込まれるのも仕方ないかと思います。
by comet flyer (2015-06-04 23:21) 

FD

コメント、ありがとうございます。

JTAは「滑走路前方に全日空機がいるのは認識した上で着陸しても支障はないと判断した」と主張。ただ、両機の距離は約400~500メートルとみられ、追突の可能性もあった。

との事ですが、滑走路上に他機が居るのに「安全と判断して着陸した」
など聞いたことがありません。
恐らく他機に気が付かないまま着陸してしまったので、苦しい言い訳を
しているのでしょう。
「着陸やり直しの指示は着陸後」との主張も同様に言い訳です。

by FD (2015-06-05 08:16) 

仁美

いつも的を得たご説明をいただきありがとうございます。

伊丹(大阪タワー)を聞いていますが、
たしかに、滑走路上に他機があっても、着陸許可を出していますね。
「・・・・ローリングスタート・・・・クリアトゥランド・・・」
「・・・・タッチダウン・・・・・クリアトゥランド」
おおむね、5DMEをレポートされたときのようです。(タッチダウン約2分前←合ってますか?)
このときパイロットはどんな判断をするのか?ですが、管制官から、滑走路上に前機がいるよって言われているのですから、視認して、前機が滑走路を出たことを確認して着陸するんでしょ。視認できなければ(滑走路上に居ないことが確認できなければ)着陸復行ですよね。
~~パイロットは、前を見て、安全を確認して、着陸する~~
これさえできていれば、なにも問題ないのではありませんか?
(その意味ではANA機は、よく前を見て、目の前にヘリが見えたからあわてて停めた。普通の対応だと思うのですが)

タワーの通信を聞いていると、着陸復行を確実に指示できるほど、そんなにヒマぢゃない!と思います。伊丹では、着陸要求の受け付け、32R横断の可否,レディーの確認,ホールドの指示,グランドからの引き継ぎ・・・そのすべてに、指示と復唱があるわけです。忙し時間帯では、タワーの波はずーっとしゃべりっぱなしですもの。
単信方式ですから、誰かが話しているときは上から重ねてタワーが指示しても聞き取れないし。

私が想像するには、タワーは指示していないヘリが離陸を復唱したので、「あなたではない云々」とそちらに対応していたのではありませんか?

で、問題を整理すると(FDさんがすでに整理されていますが)
(1)ヘリが離陸許可を誤認して、離陸にまで至ったこと
   ・・・・復唱に「ネガティブ・・・」で答えて停められなかったのか?
 ANAとヘリが同時に復唱した場合、両方がVHFなら、「ビ~」とビート音になって事態を認識できなかった可能性が大きいですが、VHFとUHFならタワーは聞き取れる可能性が大きいのでは?。
(2)JTAはなぜANAが離陸しないのを視認して着陸復行できなかったのか?

by 仁美 (2015-06-05 13:37) 

CRM

トランスオーシャン(南西)航空機が滑走路端付近を通過した時点でまだANAの737は滑走路内にいたのでしょ? ずっと先のほうだったのかもしれないけど、「見えていたが安全と判断して着陸した」と言ってるのだったら、恐ろしいハナシで、FDさん同様、こんな人の操縦する飛行機には乗りたくありませんね。

それにしても、コックピットには機長と副操縦士の二人いるわけですから、どちらか一人はANA機に気づかないものでしょうか。更に考えると、例えばそれが副操縦士の方だった場合、勝手にGAするのには遠慮するものなのでしょうか? まあ、CVRを調べればその辺は明らかとなるのではないでしょうか?
by CRM (2015-06-05 14:15) 

仁美

そもそも、なぜ、他機への離陸許可を聞き間違うのでしょうか?

伊丹の例では、
・コールサイン(J-Airxxx)+滑走路名(32L)+誘導路名(W2)の3つをキーワードに使っています。
 「誘導路W2から来たxxx便さん、滑走路32Lから離陸いいですよ」ですから、普通は聞き間違うはずがない。

・ヘリに対しても(JAxxxxP)+ヘリパット(場所)+離陸方向をキーワードにしているようです。

伊丹のヘリは民間だからか、よく待たされてます。到着機2機に出発機1機のあとですよ~とか言われてるのをよく聞きますから。どれくらい待つのかは、気を使って説明されているように思えます。

起きるはずのないことが起きるのが事故ですから・・・と自分で突っ込んでおきます
by 仁美 (2015-06-05 15:26) 

NEXUS

JTAのパイロットの心理として
「こちらには着陸許可は出ているし、全日空は離陸許可が出て滑走し始めている。もうすぐ着陸だ」
という思い込みと早く着陸したいという心理が重なったのでしょうか?

しかも、自衛隊からのリードバックを知る術はありませんし、現段階の報道では、全日空がRTOを通報していないようですから、ますますJTAのパイロットは、すっかり着陸する気持ちになってしまったと思います。
で、全日空と滑走路上で並んでしまって「やっちまった!!」と頭を抱えたかもしれませんね。

これは、JTAのパイロットの当時の心理状況を詳しく調査して、今後の教育として共有したほうが良さそうですね。

「THRまで来れば、全日空はリフトオフしているだろう」「次のレグがあるから早く着陸したい」
都合のいい思い込みと根拠のない期待が大事故に繋がったケースは過去にたくさんあると思います。
テネリフェの事故も、事故のチェーンを断ち切る最後のチャンスを「パンナムはもう(滑走路から)出たはずだろう」と都合のよい期待で潰してしまい、大事故になりました。

今回の件は、責任追及や犯人捜し(民主党や社民党やマスコミは、犯人探しに躍起になっていますが)よりも、まずは調査をしっかりやってもらって、今後の教訓に生かして、航空従事者全員の経験値を上げてもらいたいですね。
by NEXUS (2015-06-05 15:58) 

FD

パイロットは管制官に言われるがままに飛んでいる訳ではありません。
もちろん指示を厳守しなければならない場合が多いのは確かですが。
特に着陸するかどうかの最終判断はパイロットの責任です。

ある航空関係のドラマで管制官が「着陸を許可したのに勝手に
ゴー・アラウンドした」と文句を言うシーンがありましたが、
一般人が考える管制官とパイロットの関係はそんなものなのでしょう。

管制官の考えはどうなのでしょう?「パイロットが危険と判断すれば、
勝手にゴー・アラウンドするだろう」と着陸機にあまり関心を払わないのか?

これは規程で義務づけられている訳ではないのですが、着陸直前には
滑走路上に他機や障害物がないことを確認しあった後に、必ず
「ランウェイ・クリアー」とコールしています。
JTAのボイス・レコーダーを聴いてみたいですね。

自衛隊ヘリがVHF・UHFのどちらを使って交信していたかは
分かりませんが、VHFでしたら、ANA機の復唱とダブって聴き取れ
ないでしょうが、その場合、管制官は再確認すべきです。
確かにテネリフェを思い出します。あの時、FEは疑問を口にしていたの
ですが、キャプテンとコーパイが強く否定したので、口をつぐんで
しまいました。

GAする場合、躊躇している余裕はありませんので、まともなコーパイ
なら遠慮することなくGAをするでしょう。

聞き間違い。何かを期待している時、それに近い事象が起きますと
勝手に期待通りになったと考えてしまうのが人間の愚かさか?

私も何度かゴー・アラウンドを経験しましたが、殆どが管制からの指示
ではなく、私自身の判断によるものでした。

航空事故調査の目的は再発防止。関係者は包み隠さず全てを明らかに
すべきでしょうね。

by FD (2015-06-05 16:26) 

仁美

NEXUSさま

おっしゃること、よくわかります。
でも、管制官は自衛隊機の復唱は聞いている(はず)ですよね。
当然、管制官は「あなたに対する離陸許可ではない」と宣言するんでしょ。
そのときの送信は、VHFにもUHFにも出るんですよね。だったら、JTAは、「離陸許可を誤認した人がいる」ことに気づくことができるのではないでしょうか。そのことが、着陸復行に直結する事象だとは思いませんが、「何かがおきるかも?」と思いませんか?(注意喚起の引き金として)
それも見過ごして、大丈夫だろうと進んでしまうならちょっと怖いです。

一般人のド素人の浅知恵ですので事実誤認かもしれません。ご容赦ください。
by 仁美 (2015-06-05 16:38) 

NEXUS

>まともなコーパイなら遠慮することなくGA

ほんとこれですね。この前のアシアナもそうですが、ちょっとでも不安や疑問があったら躊躇せず「あのトラフィック、様子がおかしいですね!ゴーアラウンドしましょう!」とCOPが言えることが大事ですね。

>管制官は「あなたに対する離陸許可ではない」

ここら辺の経緯がまだはっきりしないので、管制塔の録音記録だけでなく、JTAでははっきりそのやり取りが聞こえていたのか?混信で聞こえていなかったのか?そもそも管制官からの「Negative!」というはっきりとした否定の指示があったのかどうか、ヘリが管制官に対してはっきりとリードバックしていたか、さらにはJTA側のCVRの記録も調べる必要がありますね。

今回のインシデントは、
1.ヘリの復唱とそれに対する管制官の確認が適切になされていたか?
2.なぜJTAの乗務員は着陸という判断に至ってしまったのか?
が、調査の上で重要なポイントになると思います。

ゴーアラウンド指示の時系列や犯人探しは、問題の本質ではありません。
by NEXUS (2015-06-05 17:54) 

楽しく生きよう

誰もが危険に対して感度高く、自分の責任を自覚して行動して欲しいです。
指示があったから、無かったからと言い訳している物に命を預けたくありません。

by 楽しく生きよう (2015-06-05 17:54) 

FD

々なご意見、ありがとうございます。
今回のインシデント。航空機と管制の交信は録音されていますし、
ボイス・レコーダーの解析も終われば、インシデントの概要は解明されると
期待しております。

二度とこのような事態が起きないよう、老婆心ながら後輩諸兄に期待する
次第です。

by FD (2015-06-06 17:20) 

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