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飛行中の重心位置の変化 [航空関係]

B747-400 の燃料タンクの配置と容量は、

blog15.4.4tank.gif

No1,No4 Main   28,860Lbs
No2,No3 Main   82,800Lbs
No2,No3 Reserve  8,730Lbs
Center 113,280Lbs
Stab 21,780Lbs
となりますが、これは Fuel Density 6.6Lbs/US gal の時に搭載できる最大量です。

燃料の消費に伴う重心位置の変化は、

ZFW - 500,000Lbs - CG 25% A 点
FUEL - 350,000Lbs
TOW - 850,000Lbs - CG 23% B 点
LDW - 540,000Lbs - CG 24% C 点としますと画像のようになります。
その時の燃料搭載量の内訳は、No1,2,3,4 Main、No2,3 Reserve は Fullで、240,780Lbs
Center 91,600Lbs、Stab 17,620Lbs (Center、Stab の比率が 5.2 対 1 になるように搭載します)合計 350,000Lbs

blog15.4.4cg.gif

B 点 85万Lbs、CG 23% で離陸しますとすぐに Stab Tank から Center Tank への Fuel Transfer が始まり、それが終了して Stab Tank が空になった時 CG は D 点まで前方へ移動します。
全てのエンジンへ Center Tank から燃料を送り続け、それが空になった時 CG は E 点まで後方へ移動します。
その後 No2,3 Main Tank の燃料を使い続け、No2 又は No3 Main Tank のどちらか一方の残量が 40,000Lbs になった時 F 点で No2,3 Reserve Tank から No2,3 Main Tank へ Fuel Transfer が開始され、それが終了した時 CG の位置は G 点 に来ます。
その後再び No2,3 Main Tank の燃料を使い続けて H 点で No1,2,3,4 Main Tankの燃料残量が等しくなったら 、
Main Tank No1 → No1 Engine
      No2 → No2
      No3 → No3
      No4 → No4
となって、それが着陸まで続きます。

Stab Tank から Center Tank へ Fuel Transfer した時の重心移動が大きいので離陸時の重心位置の許容範囲は通常は 10~31% ですが Stab Tank に燃料を搭載した時は 20~31% に制限されます。

ちょっと難しくなってしまったかと思いますが、重心位置の変化は結構複雑なのです。
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コメント 14

飛行機の重心

スゴイです!
FDさんにとっては、当たり前のことだとは思いますが、
勉強になりました。ご面倒をお掛けしてスミマセン。
ありがとうございました!
CGの位置は、離陸時と着陸時はだいたい同じ位置に
あるのですネ。これもスゴイと思いました!(」゜ロ゜)」ナント!

さっき見つけたばかりのボーイング発行の雑誌記事ですが、
これを読んでいると、エンジンが一個故障したときにはけっ
こう複雑な操作をして燃料の左右のバランスをとることにな
るんだろうなーと思いました。
とにかく、ありがとうございました。
Fuel imbalance (Boeing Aero 09)
http://www.boeing.com/commercial/aeromagazine/aero_09/fuel_story.html
燃料につきましては、747-400は満タンで日本からNYまで
飛ぶと100トン以上も燃料をつかうとしたら一秒あたり1リット
ルくらいエンジン一個で燃やすのでしょうか?とか747-400
の燃料タンクはでっかいから飛行機が傾いたり、揺れたら燃
料がタンクの中でザーッと偏ったりしたら、バランス大丈夫か?
とか確かセンタータンクは爆発防止のためにN2ガスが充填
されているようだけどウイングタンクはN2ガス充填しなくても大
丈夫なのですか?などいっぱい不思議なことがあったりします。
今後、FDさんのブログで機会がありましたら教えてください。
よろしくお願いします。
by 飛行機の重心 (2015-04-04 22:15) 

SpeedBird

なるほど重心のコントロールは燃料に依存するのですね、しかし縦軸が一般的なグラフと逆向き(上に行くほど小さくなる)に違和感を感じることはないのでしょうか?

by SpeedBird (2015-04-04 22:39) 

飛行機の重心

書き忘れました。
FDさんのご説明、分かりやすかったです。
3回くらい読んだらパッと分かりました。
ありがとうございました。
by 飛行機の重心 (2015-04-04 22:46) 

楽しく生きよう

センタータンクに燃料があるとかなり前に重心が移るんですね。

by 楽しく生きよう (2015-04-05 08:26) 

Oldfogy

FDさん、懐かしく読みました。有難うございます。満タンで35万ポンド以外は概ね全部「返上」していました。

私は、B747-400からB747に戻ったので-400の記憶はかなり薄まっています。

B747-200(LR)のFuel consumptionは簡単で5000lbs/HR X 4=
20,000 lbs/HRでしたが、-400はどれくらいでしたか4000/Hチョイ位?

NRT-ワシントンは、-400は28万、-200は32万位だったと思いますが?

後は燃料の思い出!

KIX (3500m)-LHRの夏場の離陸はシンドかったですね。35度、微風、MAX離陸重量で上がった時(Dispから、追い風は1ktでも駄目ですと言われていました)はApproach lightが引っかかるような気がして(そんなことは絶対にありませんが離陸時は向こう側が高いのです)Gearを上げた直後Bank5度くらいでApproach lightを外した覚えがあります。これで1発やられたら、即Dumpしかないです!Takeoff briefingは "After V1 engine failure, immediately dump fuel!"

また、
-200でワシントンから成田へ帰るのに、お客様の搭乗も終わっているのにいつまで経っても燃料補給が終わらない。Dispに『何してんの?』と聞いたところ『(Densityの関係で)必要燃料満タンのうち5000がどうしても入らない。無理にいれるとDrainから溢れる!』とのこと。

まだ、A社がRe-clear実施前でしたが、『5000は要らない。現在の燃料分で取り敢えずアンカレッジに向けて出発する。High speed cruiseで燃料計算をやり直して下さい』と。High speed cruiseでアンカレッジに下りて、上がっても時間は殆ど変わらなかったと記憶しています。ただし、燃料補給に要する時間分だけ到着が遅れますが。

所謂、Re-clearですが、当時は未だA社がRe-clear導入前だったのです。長年の経験で約20000あるContingency fuelが確実に成田で余るのでアンカレッジに下りる必要はないと確信して出発しました。

長距離国際線の経験が少ない若手機長が、『5000足してください』とDispに言っている事も良くありましたが、この5000は自分の(今でも重い)重量に更に5000(約約15分)たしても、自分の重さが増え、実質的には数分分位しか時間は増えないのですがね!

ちなみに先日飛んだB300 King Airの最大離陸重量は15,000lbs。

FDさん、やっとLog inできるようになりました(苦笑い)。認証番号要りません!

by Oldfogy (2015-04-05 09:17) 

皮算用

D点は、上昇のための推力による上向き特性を相殺する目的もあるのでしょうか。D点付近に重心が来る時間と、巡航高度までの上昇時間って、おおむね一致しているものなのでしょうか。

もう一点教えていただきたいのですが、札幌・羽田の様な短距離飛行だと、どのような燃料の積み方をするのでしょうか。

毎回、質問ばかりで申し訳ありません。
by 皮算用 (2015-04-05 10:40) 

FD

飛行機が傾いても機体を横滑りさせない限り、燃料がかたよることは
ないでしょう。またタンクには細かい仕切りも付いています。
センター・タンクにガスが充填?私は聞いたことがありません。


見慣れたグラフですので、特に違和感はありませんでした。


タンクの配置図を見て頂くと分かるように、センタータンクは重心位置
より前にあって容量も多いので、重心が前に移りますね。


私が飛んだ便のフライト・プランのコピーを持っているのですが、
ドゴール空港から成田への便は11時間16分 / 267,100Lbs
でしたので、約23750Lbs / HR になるようです。

King Airの最大離陸重量は約6,800kg、限定が必要ですね。


>D点は、上昇のための推力による上向き特性を相殺する目的も
あるのでしょうか。
どうでしょう?ただ、テイル・タンクからセンター・タンクへ移送
できないとちょっとやっかいな問題が発生しますので、
「早いとこ移してしまえ」かも。
移送できないまま飛び続けますと、重心が後方限界を超えてしまう
恐れがありますので、センター・タンクを使わずに重心を前方に保って
直ちに着陸する必要があります。

メイン1、2、3、4タンクに均等に積めるのは約11万5千ポンド
までですので
6万ポンド程度しか積まない国内線では、1万5千ずつ均等に積むことに
なります。
また、国際線ではその都度Fuel Densityを測定しますが、
国内線では測定せずに、気持ち多めに積むことで対処しております。

by FD (2015-04-05 14:22) 

FD

巡航に移って程なくすると、移送が終わった旨の表示があったように
記憶しております。

by FD (2015-04-05 14:32) 

飛行機の重心

いろいろと、お教えしただきありがとうございます。
センタータンクのN2の件ですが、737と747で爆発事故が
あったようです。FAAなどのちゃんとした情報源を見つけてから
こちらに投稿しようと思っていたのですがまだ見つからないので
ざっとしたことだけ書きます。
センタータンクに少量だけの燃料があると、エアコンパックの熱
で蒸発してセンタータンク内の燃料ガス濃度が危険な状態にな
るということらしいです。(いずれの事故も暑い地域で発生)
その対策として、センタータンク内の酸素濃度を下げるためにN2
ガスなどを充填する方法があるそうです。
N2ガスは、ブリードエアなどをろ過(N2は通るが、O2は通らない
膜を利用)して得るようです。
また、ちゃんとした情報源が見つかりましたら投稿します。
FDさんの大切なお時間を使って回答をしていただいていることに
感謝しております。ありがとうございました。
by 飛行機の重心 (2015-04-06 07:33) 

 飛行機の重心

すみません。
>いろいろと、お教えしただき
ではなく、「お教えいただき」でした。
センタータンクの爆発防止につきましては、
fuel tank inerting system
で、検索していただければ出ます。
*それから、FDさんの記事の図も分かりやすいです。
Center of Pressureの位置も気になったりします。スミマセン

Oldfogyさんの投稿も具体的な数値があるので勉強になます。
水道の水をザーッと流すとき、747だとジェットエンジンへの燃料は
これくらい流れているのかな、などと考えてワクワクしたりしています。

ありがとうございます。
by 飛行機の重心 (2015-04-06 07:50) 

FD

爆発事故の後、センター・タンクを全部使い切らずに、少し残しておく
運用が一時期行われていたと記憶しております。

by FD (2015-04-06 13:38) 

Gen.Lee

かつての愛車、英国のJは左右に45lの燃料タンクが
ありまして、切り替えてました。走行中に切り替えると
エンジンがガス欠みたいに停止しました。
切り替えは停車中に、エンジン起動の10分以上前に
しないとエンジンが起動しませんでした。
左右を連結すればいいのに、英国車はこんなもの
でしょうか、現在のjはこんなことは無いようです。

by Gen.Lee (2015-11-28 14:16) 

FD

Jとはジャギュアーでしょうか?
今は英国製のバイクに乗っていますが、彼の国の人はあまり賢くないな
と感じています。

片方の燃料タンクが減ってきたら、左右でコーナリング性能が変わったりして。

by FD (2015-11-28 17:53) 

Gen.Lee

白豹でした。燃料タンクが後部フェンダーあたりですので
後輪車軸より後ろです。当然燃料の残量とともに重心は
変化するでしょうが、なんとアブゾーバが2本ついてました。
それでも姿勢変化は、あまり感じませんでした。その理由は
ミッションの内部張り出しが大きく両足をすぼめての運転姿勢
からは、それなりの運転となります。ゆったりした速度のせいでしょうか。
着物をきて大股で歩かないのと同じです。



by Gen.Lee (2015-11-30 08:29) 

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